おしゃべりぼくろ

万年筆と手帳との日常

ミュージカル「Romale 〜ロマを生き抜いた女カルメン〜」感想

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どうも、あかいろです!
東京旅行シリーズ(?)第4弾はミュージカル「Romale 〜ロマを生き抜いた女カルメン〜」の感想です!!!!!



まずね、一つ言わせてください。


あーーーー!!!行ってよかったー!!!!
何度でも観たいー!!!!


ふう。←



はい、今回も支離滅裂なところがあるかと思いますが、フレッシュな感想をお届けしたいと思います!
以下、ネタバレ含みます。




 



 

あらすじ


以下、公式サイトより引用。

軍の規律に忠実な衛兵のホセは、妖しい魅力をもつロマ族の女工カルメンと出会う。
そして一瞬で燃え上がるような宿命の恋が始まった。
ホセは誰の指示も受けず自由に生きるカルメンに身も心も溺れ、後戻り出来ない状況に陥っていく。
カルメンの魅力に翻弄された男はホセだけではなかった。ホセの上司・スニーガ中尉、カルメンの夫・ガルシア、イギリス貴族・ローレンス ― 彼らに嫉妬したホセの愛は狂おしいまでになってゆく・・・
それから約50年後、フランス人学者・ジャンはカルメンの足跡をたどるうちに、彼女を知るという老人と出会う。老人の話から浮かび上がってきたカルメンの意外な真実とは・・・


今までのカルメンとは少し解釈が違いました。
カルメンってあばずれみたいなイメージがあったけど、そういう描き方ではないです。
カルメンのオペラやミュージカルでは必ずでてくる闘牛士も、今回はでてきません。



心奪われた登場人物たち


わたしの少ない舞台鑑賞歴の中でも登場人物は少ないミュージカルでした。
わたしの中でミュージカル=アンサンブルなども含め大人数での作品という印象だったので、舞台上にでてくる俳優さんが10人くらいなのにはびっくりでした。
その分、みんな裏では走り回っているんでしょうね。


カルメン(花總まり)

タカラジェンヌ、女帝の名前通り、気高いカルメンを演じきっていたように思います。
立ち振る舞い全てが高貴、不思議だなあ、カルメンなのになあ。



宝塚版の「激情」などのカルメンの演目は観たことがありませんでしたが、いろいろ過去の作品についても調べてみた結果、今回のカルメンに対する解釈は、自分の生まれや宿命と戦いながら、それでも1人の男を愛した・・・のような感じかなと思いました。


始めの方の、将校たちとのダンスシーン、色気がありながらも最高にキュートで、そりゃみんなのこと魅了するわ・・・って感じ。
スカーフをフーーってする前の、手にくしゃくしゃぁってしてる時の顔かわいかった*1
将校たちを踏んだり、花をホセに投げつけたとこ良き。


ホセ(松下優也)

初めて名前を聞いた俳優さんでした。
YouTubeにあがっていたゲネプロの動画で彼を観たときは正直、うーーーん・・・?という感じでしたが、実物の方が数倍素敵な方でした。すみません。



母性本能というか、「あたいって女は、あんたを不幸にする」って突き放すようなこと言いながらも結局アジトに連れて帰っちゃう気持ち分かる〜〜〜〜!
ある方がブログで、大型犬子犬のようって書かれていたんですけど、まさにそれ!!!
キャラクターとしてはメンヘラクソ男ですけどね!(暴言)


「秘密」カルメンに誘惑されている顔が最高でした。


スニーガ(伊礼彼方)

この方は彼が目をつけてた俳優さんの1人。
出てきたときはわたしよりも彼の方が落ちてたので冷静だったのですが、この方、いやらしさ100%・・・!!!!(褒めてるつもり)

生理的嫌悪感、スケベ感が出るといいなぁと思って挑みました。
(パンフレットより引用)


出てたよおおおおおお!!!!



権力を持っている男がその力を盾にして欲しいものを手に入れようとする姿が潔いクズでして。そういうキャラクターは大好物です。本当にありがとうございました。
カルメンにツバ吐きかけられた後勃ってそうって思ったわたしは最低ですね。



「おれの女になれ」ではスニーガのいやらしさ大爆発でした。
生歌の威力がとてつもなかったです。
どうやったらあんなセクシーボイス出せるんですか、舞台俳優ってしゅごい・・・!


でも抜け道はあるさ
俺の女になれば
悪いようにはしない
いい話だろう


俺の言いたいことは
\足ダンッ/
わかーるーだろうー


の、2か所が失神ものだったということだけお伝えしておきます。


ガルシア(KENTARO)

舞台に出てきた瞬間、ぐっと舞台がしまる気がしました。
わかりやすく悪役!!って印象でしたね。
ロマの繋がりを大切にし、だからこそ白人など自分たちを虐げる者たちを全く信用していない姿、それでもカルメンのことは愛してるところが素敵でした。
わたしの今回の一番の推しが彼だったのですが、やはりKENTAROさんの歌声が大好き。



「帰ってきたぞおおおおお!!!」


「俺がいなかった間のことは大目に見てやる」


「死体に用はねえだろう!さっさと行くぞ!!」


わかりやすく悪役でした。(2回目)
元々のびやかな唄声の方なのに、ガルシアを演じているKENTAROさんは、ダミ声を出すような歌い方もしていました。
それもまたよかった。


ジャン(福井晶一)

低い声の方だと想像していましたが、思ったよりも甘く歌うんだなと思いました。
少年のように目を輝かせながらカルメンを追い求める研究者です。
舞台の中では団時朗さん演じる謎の男と共に狂言回しの役割を担っていました。
この二人は現代(その当時の)を生きる登場人物、そして真実のカルメンを解き明かしていく役柄でした。


甘く柔らかい歌声と、演技力は、やはりベテランの風格があり、どっしりした安定感は観ていて安心しました。
追いたい。



印象に残った台詞&歌詞


カルメンの台詞や歌詞が多かったかな。
記憶の中から絞りだしているので間違いもあるかもしれませんが、


「犬は人間に飼われて餌をもらって生きるのが幸せ。だけど狼は、たとえ飢えても心のままに野山を駆け回る自由を捨てたりしない」


「そこに掛ける橋はないんだ」


「(タロットの死神を見て)案外当たってると思わない?」
「あたいのタロットは当たるんだ、予言と一緒さ」



ここまできたらもう
戻れる道はない
行き止まりの未来としても
進むしかない


わたし一人で



一人でかーーーー!
と思ってしまいました。
ここでホセがきちんとカルメンに向き直り、共に歩くことが出来たなら、その選択があったなら、2人の結末はまた違っていたかもしれません。



わたしが大号泣したシーンのカルメンの台詞で、


「あたいは濁流*2から、必死に手を伸ばしてた。だからあんたも手を伸ばして、私の手を取ってくれるのを待ってたのに、あんたは向こう端からこちらに来いと言うだけだった。
結局あんたは心の底でジプシーを蔑んでいるんだ!」


というのがあるんですが、もうほんと、それな・・・ってなってダメでした。
初めは小さな亀裂だったのが、もう渡りきれないほど大きな溝になっている。
カルメンはもう戻れないと分かっているのに、ホセは立て直せると思っている。


彼曰く「男って本当バカァ!!!(オカマ口調)」とのことです。*3



この台詞からの、


ホセ「愛してると言ってくれ!!」


は、さすがに、人の話聞いてたか!!!??ってなってしまいましたね・・・
違う、すれ違ってる・・・!!っていうのがすごく切なくて泣きました。



まとめ


ストーリー的にはすでに知っていたし、結末がどうなるかも分かっていたけど、それでもあかんかったです。
後半にかけてホセの目がギラギラして行くのを見て、狂気的だなと思いました。



カルメンはロマとして生きてきたから、自分が置かれた状況をよくわかっていて、ロマと白人が対等に生きていくことがどれだけ難しいかも理解してる。
ホセはその辺があまり分かっていなくて、カルメンを傷つけるようなことにもなったし、縛りのある恋で周りが見えなくなっていったのかなあ・・・と感じました。



説明的すぎるかな?蛇足じゃない?というところもありましたが、概ね満足なストーリーでした。
演出家が元々振付師なのもあって、人の見せ方がとてもよかったし、うん、よかった!!!



とにかく見て!!!としか言えないのですが、梅田芸術劇場での公演もすでに残り少なく、チケットもあるのかな・・・?ってレベルになってきています。
興味のある方には是非見てもらいたい作品でした。
なんならサントラ出してくれお願い致します。



以上!興奮冷め切ってないわたしからのレポでした。
ではまた!






 

*1:細かすぎて伝わらないカルメン

*2:ロマ族として自由を求める生き方や差別・偏見など

*3:彼は興奮するとオカマ口調になります